アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ
監督:アシフ・カパディア
出演:アイルトン・セナ//
2010年/英/108分/種市譲二・森脇基恭/☆☆☆
批評 レースをするのは“人”なんだよね
1994年。イタリア、イモラ・サーキットで事故死したアイルトン・セナのドキュメンタリー映画。
死後16年が経過し、なおも伝説の名となっているセナの映画という事で、基本的に「セナ様は神様です」という仕上がりになっている。
この映画だけ見ると、プロストは一方的に悪人に見えるし、ライバルもその一人だけのように見える。
ピケとの確執も、マンセルとの友情とライバル心も、シューマッハから受けたプレッシャーも描かれない。
ついでにいうと、HONDA との関係も一切描かれない。
本田宗一郎から「来年も最高のエンジンを作ってやるからな」と言われたことも、本田宗一郎が息を引き取って涙したことも出てこない。
ついでにいうと、セナの、勝利のためにはかなりダーティーなドライブをしたこともほとんど描かれない。
ん〜、悪い映画だとは思わないが、セナを神格化するのはどうかと思う。
セナは“ものすごい人間”であって、“神様”じゃないのだから。