のだめカンタービレ 最終楽章 後編
監督:川村泰祐
出演:上野樹里/玉木宏/瑛太
2010年/日/123分/☆☆
批評 中途半端
壁にぶち当たり行き場を失うノダメと、次の飛躍に向かうチアキの故意の行く末は!?
大きな欠点は二つ。
二人の恋愛物語となって、それ以外の部分が外側に追いやられた結果、トリッキーな演出の普通の恋愛映画になっていること。
傾いたオーケストラの建て直しと構造がリンクしていた前編にくらべると、構造がシンプルになった分だけ、なおさらそれが目立つ。
もう一つは、中途半端に原作を引きずってしまったこと。
もっとも大きなのは、シュトレーゼマンがノダメをプロの世界に押し出す理由を変えているのに、“悪魔の囁き”で誘い出す部分を変えなかったこと。(映画版の製作者は、オリジナルのオペラを知らないのか?)
また、この理由を変えてしまったことで、オクレールが「余計なことを」という台詞が浮いてしまっている。
方法は違えど狙っていることは二人とも同じなのだから。
編集やカメラ、演出が TV 版と大して変わらないのはあきらめるとしても、中途半端な出来であった。