王の男
監督:イ・ジュンイク
出演:カム・ウソン/イ・ジュンギ/チョン・ジニョン
2006年/韓/122分/根本理恵/☆☆
批評 韓国における歴史映画標準の法則が分からんのです
元々が史実を元にしたとは言え、舞台ということで、映画になっても舞台的な部分は残っている。
それをもっとも色濃く残しているのは、物語が進む場所が極めて限定的だということ。
特に後半は、ほぼ王の城の中しか出てこないし、その王の城の中も、出てくるのは数箇所のみ。
その割に空間的な狭さを感じさせないのは、カメラワークと編集の上手さだろう。
韓国も、中国文化の流れを汲んでいるためか、王宮の基本色は赤だが、衣装や小道具で変化をつけ、色彩的にも賑やかで、非常に楽しむことが出来る。
とにかく分かりにくい。
これは脚本に多くの無理があることももちろんだが、それ以上に、韓国の歴史が頭に入っておらず、それが史劇としての定番なのか、それともこの映画が間違っているのかわからないところが多いし、説明も無く飛び交う単語も、ところどころ理解できないためだ。
日本の時代劇における、「越後屋、おぬしも悪よのぉ」「お代官様には及びません」が、それ単体では、他の国の人にはまったく理解できない台詞だというのと、おそらく同じだ。
やはり、時代劇を見るには、その時代の背景を知っておく必要があるのだな。
これほど、己の不勉強を痛感させられる映画も珍しいと言えば珍しい!?