マリー・アントワネット
監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルステン・ダンスト/ジェイソン・シュワルツマン/リップ・トーン
2006年/米/123分/松浦美奈/☆☆
批評 豪華な映像だけ
世界一有名な浪費家、マリー・アントワネットの半生を映画化。
ヴェルサイユ宮に来てから、脱出するまでの話。
とにかく説明が無い。
すべてが唐突に発生し、特に説明も無く忘れ去られたり、何事も無かったかのように流されたりして行く。
結婚してから、寂しさから暴走するアントワネット。
子供が生まれて考えを (ちょっとだけ) 改めるアントワネット。
革命が起きてヴェルサイユから逃亡するアントワネット。
これらの主要エピソードは、連続して見せられる一つの物語と言うよりは、連続ドラマの主要な回を抜き出して、ただ繋げただけのような強引な編集で見せられる。
見ていると、劇中の時間経過がすぐに分からなくなる。
何が起きているのかも、さっぱり分からない。突然登場人物の性格が変わっていたり、人が増えたり、人が減っていたりする。
出てくるたびに、色鮮やかな、異なる衣装を身に着けた登場人物は、本物のヴェルサイユ宮で撮影したという迫力と合わさって、まさに豪華絢爛。
コスプレ映画の本領発揮。見ているだけで楽しめること間違いなしだ。
だが、豪華な画だけでは、映画の面白さを得ることが出来ない。
ハリウッドがよく体験させてくれる教訓を、この映画がまた教えてくれた。