船を下りたら彼女の島
監督:磯村一路
出演:木村佳乃/大杉漣/大谷直子
2002年/日/112分/☆☆
批評 観光案内ヒルム
小津安二郎「晩春」を愛媛県の支援で瀬戸内海で展開したご当地映画。
東京できめた結婚の報告のために、数年ぶりに田舎に戻ってきたヒロインが、両親にその話を切り出すまでの話。
問題点は非常に多いが、豪華なキャストに張り合うだけの魅力、あるいは演技力を木村佳乃が持っていなかったことが最大の欠点のように思う。
そのため、特別出演!?友情出演!?みたいに出てくる他のキャストに喰われる喰われる。
女性のマリッジブルーを画いているにもかかわらず、それをビジュアル的に表現することが出来なかった演出と脚本にも問題がある。
もっとも、これは御当地映画として作られた為なのかもしれない。
また、御当地映画であることと関連してなのか、編集と展開が豪快すぎる。
次に行く場所を、台詞で説明し、次の瞬間にはその場所に居るのだ。移動時間は事実上なし。ようするに、観光地紹介が露骨すぎる。
おかげで、中盤で見せ場になるはずの初恋の人探しが、他のエピソードに飲まれてる。
ところで、最後の方でキーワードとなる“三つ首さん”の伏線が片付いていないのだが、気のせいだろうか?