WX3 機動警察パトレイバー

WX3 機動警察パトレイバー
(WX3 PATLABOR THE MOVIE3)
監督：高山文彦
出演：綿引勝彦／平田広明／田中敦子
2001年／日本／100分／☆☆

批評　パトレイバーじゃねぇ！

　あらかじめ言うと、機動警察パトレイバーではない。
　特車二課は、全部で15分も出てこないんじゃないか？南雲や課長などかげも形も出てこない。

　物語的な完成度は低い。

　当所、米軍の生物兵器としてクローズアップされている謎の生命体(廃棄物)だが、途中でなんの脈絡も無く自衛隊が出てくる。米軍と自衛隊が同一フレームに収まっている画さえないので、これは唐突すぎる。
　そもそも米軍は途中でどこに行った？

　さらに、コミックスでは事件の発生した場所がだんだん浅瀬に近づいているということが、廃棄物の進化を象徴しており、メンテナンスベースへの上陸が一つの区切りとなっているという描写になっていた。
　この作品にそんなものはない。
　一連の事件が廃棄物の進化を象徴しているわけでもなく、メンテナンスベースの事件は、廃棄物が人の目にさらされたという以上の意味が無い。しかも、はっきりと人目にさらされるので不安感なども発生しない。ただのアクションシーンだ。
　廃棄物がレイバーを着込むというシーンも、気が付くと着込んでいる感じを受ける。
　まぁグリフォンの話がまったく関係ないのである程度仕方ないのかもしれないが。

　物語展開だが、メンテナンスベース攻防戦のあと、誘い出し作戦に一直線。新木場攻防戦などはない。誘い出し場所も二課棟のある埋め立て地ではない。

　ところで物語の主人公とその先輩刑事だが、これを新キャラにした理由はなに？
　いいじゃん、松井とその相棒の若い刑事 (名前が出てこない)、そして後藤の組み合わせで。なにか問題ある？

　ビジュアル的にも不満は募る。
　圧倒的なのは、重量感のなさだ。廃棄物にせよレイバーにせよ、恐ろしく軽そう。
　たしかにレイバーは FRP なので軽いには軽いのだが、あそこまで軽くないだろう。廃棄物も異様に軽そう。

　個人的に不満なのは、岬冴子(コミックの西脇冴子、結婚して名字が違う。そしてそれが、いちおう物語のミソとなっている)。
　ロングスカートをはいている。それは良い。大変良い。
　だが、歩いている時も走っている時も膝から下しかスカートが動いていない。
　ロングスカート好きとしては激しく不満だ！！スカート全体の動きこそ、ロングスカートの味だろ！？そーじゃねーのか！？

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