サトラレ
監督:本広克行
出演:安藤政信/鈴木京香/寺尾聡/八千草薫
2001年/日本/130分/☆☆☆☆☆
批評 異論反論あるだろうが、私は好きな映画
考えている事が思念波として他人に他人に伝わってしまう、ある天才の物語。
いくつかの初期設定の欠陥を攻めている批評もあるようだが、ファンタジーであることを考えればそう目くじらを立てる必要もあるまい。
物語として私が気になったのは、冒頭、小松洋子(鈴木京香)を使って、初期設定を一気に台詞で説明したり、わざとらしい画で主人公サトラレ能力を持つ里見健一(安藤政信)の置かれている状況を説明すること。物語が具体的に動きだして、中盤に出てくるサトラレ0号の描写に極
特に巧いと思うのは前半のコメディー調から、後半の祖母、里美キヨ(八千草薫)との家族愛へのシフト。
「スペーストラベラーズ」ではこの辺りが、脚本のミスで失敗していたからね。
演技で素晴らしいのは八千草薫 (主人公は両親死亡により、祖母と二人で暮らしている) と、病院の外科部長(たぶん)東隆之を演じる寺尾聡。
キヨは担当医がサトラレであるため、自分の病状をこれ以上ないというレベルで知っている。そして隆之もそれを知っているという状況の中で、“嘘”を話し合う二人の演技は特に素晴らしい。
安藤政信と鈴木京香の演技は、さすがに老練なこの二人にはかないませんて。悪い演技じゃないんだけどね。