赤い橋の下のぬるい水
監督:今村昌平
出演:役所広司/清水美砂/倍賞美津子
2001年/日本/119分/☆☆☆☆
批評 助平
リストラされて再就職先を探している中年男。彼は就職活動中に知り合ったホームレスたちと話すうちに、哲学者と呼ばれる元泥棒のホームレスに「金の仏像を隠した場所」を聞かされる。
彼の死後、その場所に行くと不思議な女と出会う。彼女は SEX しないと体の中に水がたまるという不思議な女だった...
非日常的光景を、まるで日常の光景のように撮る今村節はなおも健在。
一歩間違うと滑稽な映画に、別の方向に間違うとただ淫靡なだけの映画になるところを、 SEX で絶頂を迎えると水を吹く女性を中心に、生命への讃歌と、人間の性、そして愛情を画いた。
と書くと、まるで格調高い映画のように感じるが、そこは今村節。
物語に潜む非日常性の根幹“水を吹く女”の描写が強烈で強烈で...
なにせ交わっている役所広司がずぶ濡れになるだけではなく、家の外まで流れて言って河まで流れ込むような壮大な描写なのだ。それはあまりにも馬鹿馬鹿しくてナンセンス (誉めてます)。
見終わった後に、なにかこう、不思議な感覚を得る事が出来るのは間違いない。
それがなにかは、見る人によって違うんだろうけど。