D坂の殺人
監督:実相寺昭雄
出演:真田広之/嶋田久作
日本
批評
さて、実相寺の明智(乱歩?)第二作である(実は一発目の「屋根裏の散歩者」は見てない)。
この映画では、原作の「D坂の殺人」だけではなく、「心理試験」を組み合わせることにより、物語の膨らましをはかっており、それに成功していると言えます。
さて、「帝都物語」で嶋田のブキミさ&コワサ(ほめ言葉)を見事に引き出した実相寺が、嶋田の新たな面を引き出したとも言えます。
そもそも、明智の登場シーンが強烈です。古本に埋もれて何もせず火のついたタバコを手にして惚けてる。
これだけで完全に絵が完成しているんだから恐ろしい。
さすが実相寺!というより、実相寺&嶋田!!やってくれるぜ!!という気分になります。
そして真田の見せるアヤシイ犯人像が、うまく言えませんが世紀末的です。
乱歩の見せるアヤシイ文学世界を、これまたアヤシク映像化しています、一見の価値あり!!