映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦
監督:増井壮一
出演:矢島晶子/ならはしみき/藤原啓治
2011年/日/107分/☆☆
批評 原恵一監督、カムバァァァァァァックッ!!
突如として「君はスパイになるのだっ!」と命じられ、スパイになったしんちゃんの物語。
結論から言ってしまうと、エリートスパイ一家の娘として鍛えられ、それ故に普通じゃない家族関係の中で育ったスパイの少女が、わきあいあいの野原家を見て心境変化するという作品軸が、あまりうまく機能していない。
原因は単純で、ヒロインの少女の心理変化はそれなりに描いているが、それに乗っかる形で変化する、少女の両親が描けていないためだ。
任務最重要で、娘を死地にさえ送り込んでいた両親は、なぜ突然掌ひっくり返して任務放り出して娘を助けに走るの?
作中の遊びはそこそこ楽しんだが (説明する気が無い家政婦等)、野原家も、あまり上手くキャラクタが機能しているとは言い難く (ひまわりなど、存在理由がまったく無い)、作品として、やりたいことは分かるけど、いまいち上手く行っていない作品であった。