DOG×POLICE 純白の絆
監督:七高剛
出演:市原隼人/戸田恵梨香/村上淳
2011年/日/104分/☆☆
批評 成長しない主人公
犯人逮捕時の単独行動が問題視され、犬屋と蔑まれている警備犬部隊に回された主人公の物語。
問題警官が場末の部署に飛ばされ、過去になんかあったっぽい上司。同僚も、教育係の優秀な女性、通常業務の能力はともかく偏った知識と洞察力の男、優秀でこの境遇にも全力で任務を全うする男、ちょっと離れたところでゆるく全体を見ている医者とって、どんだけパターンの人物配置だよっ!!
登場人物だけでなく、ほとんどテンプレート化されているんじゃないかと言う定番の展開がここにくっつく。
それは別に良い。
パターンは、有効だからこそパターンになるからだ。
しかし、どんなに有効なパターンも、味付けがダメなら活かすことはできない。
この作品の場合、単独行動が問題視されている警察官の成長が背景に存在しているが、この主人公、最初から最後までまったく成長しない。
最初から最後まで、基本は単独行動。
途中から犬と行動するようになるので「犬は同僚」ということなのかもしれないが、司令官の意見は一切聞かない。中盤で、犬とともに捜索を続けたことで被害が出ているにもかかわらず、最後も結局独断専行で自滅危機に直面する。
その結果、はみ出し部隊の面々もほとんど役に立たないまま物語りは終わってしまう。
なんのためのパターンなのか、もうちっと考えてほしい所だ。
それと、爆弾爆破シーンだが、タイマーの残り時間に対して実際に作動する時間が長すぎて違和感がある。
全体も細部もダメ。
とてもとても残念な作品であった。
爆破シーンそのものは、けっこう楽しいんだけどねぇ。