ソラニン
監督:三木孝浩
出演:宮崎あおい/高良健吾/桐谷健太
2010年/日/126分/☆☆
批評 中途半端
原作を上手く改変できなかった映画だと思う。
中途半端に原作に引っ張られた結果、中途半端な伏線が多数出てきてしまっている。
そうすると、原作を読んでいなければ分からない仕上がりになる。
続編であるならばともかく、単体で完成された映画で、原作を読んでいなければ分からないというのは問題だろう。
たとえば、冴木はなぜ最後のライブハウスにいて、なぜロッチの演奏を気にしている?
これで原作に忠実ならば、また事情は違っただろう。
しかし、原作を呼んでいると、原作とは違う処理をした伏線に違和感がある。
人形の口に手紙を入れようとしていた老人は?
レコード会社のトイレでの会話の処理は?(これが無いから、冴木のライブハウスの説明が付かないのだが)
映画オリジナルのエピソードは一つだけだが、その存在意味が無いのも、ある意味脅威だ。
致命的な崩壊個所こそないが、中途半端と言わざるを得ない出来の映画であった。