シャッター・アイランド
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ/マーク・ラファロ/ベン・キングズレー
2009年/米/138分/戸田奈津子/☆☆☆
批評 駄目だこりゃ
精神障害者を収監した監獄島でおきた患者の失踪事件。
警戒厳重な病室、という名前の監獄から、いったいどうやって抜け出したのか・・・
一番悪いのは宣伝。主に予告編。
この予告編が、無駄にネタバレ。
しかも「仕掛けがたくさんあります」と、わざわざ宣言するものだから、怪しい部分を、いやがおうにも注視するはめになる。
しかもスコセッシは、真面目なのか不器用なのか分からんが、律儀に「怪しい」部分を「怪しく」撮るもんだから、たいへん謎解きが分かりやすい。
引っかけが「引っかけ」だと分かるのは、ミステリー映画としてはほぼ致命的な問題であると言えるだろう。
怪しい人間が怪しく設置されていれば、誰だって怪しいのは分かるし、遠回しな表現が多ければ、なにかを隠しているのも分かる。
全員がそうなっていれば、導き出される結論は一つしかないのだ。
観客を本当に騙すつもりなら、この作りじゃ駄目だろう。
映画そのものも宣伝も。
スコセッシは、それなりに器用な映画監督だとは思うのだが、少なくともミステリー映画で観客を翻弄する演出技術は持ち合わせていない。
そのことだけがよく分かった。