パラノーマル・アクティビティ
監督:オーレン・ペリ
出演:ケイティー・フェザーストン/ミカ・スロート/マーク・フレドリックス
2007年/米/86分/川又勝利/☆☆☆
批評 騒ぐほど怖くはない
モキュメンタリ (フェイクドキュメンタリ) の定番と化してきた、P.O.V. (Point Of View = 主観映像) 映画の一つ。
変わっているのは、夜、寝ている間に何が起きているのか?を探るためのカメラであることを活かし、映像が、時に主観に、特に三脚に象着されることで客観映像になったりする。
主観映像で言え全体を見せておきながら、夜、客観映像になると「みなれた空間」を演出された家の、“今、カメラに写っていない部分”が不気味に見える工夫をこれでもかとこらしてある。
実質ドア一枚で。
これは見事だ。
よくぞこれだけの仕掛けで、これだけの映像を組み立てたと思う。
低予算を感じさせずに最初から最後まで (中盤、やや失速する部分が無いとはいわんが) 一気に持って行く手腕は見事というほかない。
しかし、現在の P.O.V. モキュメンタリ映画の流れを作り出した、ダニエル・マイリック/エドゥアルド・サンチェス「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」がそうであったように、この映画もまた、ただ“お化け屋敷”の怖がらせをするだけだ。
そこには原因も結果も無い。
ただ、怖がらせるためだけに怖がらせる。
なんらかのオチが欲しいと思うのは、考え方が古いからなのか、それとも私がこの手の映画に“合って”いないからなのか。