君に届け
監督:熊澤尚人
出演:多部未華子/三浦春馬/蓮佛美沙子
2010年/日/128分/評価不能
批評 憂い憂いしすぎる高校生の恋愛ドラマ
この映画最大の欠点は、おそらく、私のような人間が見ることを、1mgも考慮していないことだろう。
いやだって「自分のことを信じないって事は、あんたのことを信じてる私たちのことを信じないって事だよ!?」(微妙に違うかも) という台詞に対し「信じるのは、信じる者の勝手。それに答えるかどうかは、一方的に信じられた者の勝手。自分の勝手を人に追いつけちゃいけねぇよ」とか思ってしまうだぜ、私は。
正直、映画の内容がまぶしいです。
組み立ては決して悪くない。
出会いのシーンに対しては、受験したときに、お前さんは高校に行かなっかったのか?という疑問があるものの、手順を踏んで「心優しいが地味で周りには大きく誤解されている女の子」と「爽やかで誰からも好かれている男の子」が付きあい始めるまでを丁寧に描いている。
手垢にまみれ過ぎた幾多の展開 (親友作りとか、親友相手に勘違い発動とか、かっ飛んだライバル登場とか) でしか進まないとはいえ、その上で出来ることはやっている。
しかし。
それでも。
映画には「対象とする客層」というものがある。
確かに有る。
生まれて初めて、映画館の座席で「肩身が狭い思い」を味わった人間として、その事を痛感した。