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監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローリー・ホールデン
2007年/米/125分/松浦美奈/☆☆☆

批評 宗教が嫌いな私には、厳しすぎる映画

 街が、霧に覆われた。
 霧の中に、凶悪な“何か”がいる・・・

 「ショーシャンクの空に」と「グリーン・マイル」を生み出した原作 : スティーブン・キング x 監督 : フランク・ダラボンコンビの三作目。

 あくまでも怪獣映画のフォーマットでホラーを語りながら、実際にやりたかったのは霧に閉じこめられたショッピングセンター (ただのスーパー?) で疑心暗鬼になられ、聖書との暗示を求める宗教狂いのオバハンにより暴走する人間の集団心理をだというのがまるわかりな前半に、見事に騙される。

 聖書の暗示を指摘し、「さぁ、死ね。生け贄になれ」と力説する狂人を出すことで、神の名の下に人間は気が狂うんだねぇ、宗教ってなんて恐ろしいんでしょう!!すげおいぞハリウッド、こんなに反キリスト教的な映画を作るなんて。

 神と油と金のために中東にカチコミかける連中の大反省映画シリーズの新形態じゃないのか!?などと思いながら楽しんでいると、最期の最期に「神を語る人間の傲慢さ」を指摘する、もっと上からの視点を投入。


 反キリストどころかものすごいキリスト教的説教に満ちあふれた結末を迎える。


 思えば、最期手前で因果応報 (誰であれ、人を殺した人は狂気に走るか死んでいる) が成立していたなぁと思いながら、一気に冷静になる。
 そう、“冷静に”考えてみるべきだったのだ。
 フランク・ダラボンはどうだか知らないが、スティーブン・キングはキリスト教徒。
 クブリックに「神を信じている」と答えた男だと言うことを。

 なんなんだかなぁ。

 そういう、私の大嫌いな宗教全面肯定映画だという点をさっぴいいても、正直、あまり高評価にはなりえない。

 霧の中から何かが襲ってくるというと、ジョン・カーペンター「ザ・フォッグ」を思い出すし、物にあふれたショッピングセンターに立てこもるというシチュエーションは、ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ」を彷彿とさせる。
 疑心暗鬼の中で暴走する心理は、リバー・ヒルツェビゲル「es[エス]」(これは実話ベースだが) で描かれていた物と同種だ。
 隣の店に医薬品を求めて突入すれば、ジェームズ・キャメロン「エイリアン2」にしか見えない光景が広がり、終盤に出てくる、巨大な、足の細い巨大な的は、ゲーム Valve「Half Life2」に出てくる敵にそっくり。
 ついでに言うと、日本の怪獣物を彷彿とさせるシーンもいくつもある。

 映画としての完成度はそこそこだと思うが、制作者の宗教観が背景に強烈に見える映画は、どうにも好きに慣れん。
 映像的にも、なんだかどこかで見たことのあるようなシーンばかりを組み合わせてシリアスにやられても気分が乗りきれない。
 それを再確認させられた映画であった。

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