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ポセイドン
監督:ウォルフガング・ピーターゼン
出演:カート・ラッセル/ジョシュ・ルーカス/ジャシンダ・バレット
2006年/米/98分//☆☆☆

批評 かくも難しき、名作映画のリメイク

 パニック映画の傑作、ロナルド・ニーム「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク。
 豪華客船ポセイドン号が、不意の超大型横波をうけて転覆。
 生き残った人々は、救助が来るであろう、いまや"上の階"となったかつての船底を目指すっ!

 物語の基本骨格は前の映画と同じだが、登場人物の性格はだいぶん違うものになっている。
 主人公は神父ではないし、彼とぶつかり合う、ちょっと意地の悪い男もいない。
 その結果、オリジナルにはあった神話性や宗教的な要素は消えうせている(ギリシャ神話の海の神ポセイドンから、基督教の神父に導かれし人々が脱出する話だと考えると分かりやすいと思う)。
 それがよかったのか悪かったのかは分からないが、映画の深みがなくなったのは間違いないだろう。

 前作との違いはさておき、この映画の、映画としての欠点は、大きく二つ。
 一つは登場人物を描けなかったこと。
 一癖も二癖もありそうな登場人物。
 なにか、あきらかに分けありな登場人物を用意しておきながら、かれらの背景が描かれることも、極限状態で、彼らの人間性が露になる事も無い。
 定番ではあるが、感情的な盛り上がりには必須な部分を消してしまったのは、失敗といわざるをえない。

 もう一つは、事態が次々に、軽々と起こりすぎること。
 トラブルが一つ。はい次。はいその次。
 と、まさにゲームのような勢いで事故が発生する。
 現実に、トラブルとは矢継ぎ早に起きるものだろうが、一つ一つをもっと丁寧に物騒に描いたほうが、結局の所怖い話になったと思う。
 見ている間は、ジェットコースターのように翻弄されるが、劇場から出たら「で、どんな内容だったっけ?」になってしまうのでは意味が無い。

 他にも、やたらと爆発が起きすぎるとか、善人が死に、悪人が生き残る不条理が描かれないとか、いいたいことはあるが、上の、おおきな二つの欠陥の前では些細な問題といえよう。

 そうつまらない映画だとは思わないが、かの傑作の名を冠した映画としてはきわめてお粗末な内容であったと思う。
 かくも難しき、傑作のリメイク。
 次の犠牲映画は、なに!?

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