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監督:ウィリアム・フリードキン
出演:トミー・リー・ジョーンズ/ベニチオ・デル・トロ
2003年/米/95分/栗原とみ子/☆☆

批評 脚本が、画をささえられなかった

 コソボでの戦闘により精神的外傷を背負ったハラム。
 彼は米国に戻ってからも、軍の特殊作戦に従事しつづけ、ついに暴走を始めてしまう。
 ハラムを教育した L.T. に、軍はその追跡を依頼。2人のプロフェッショナルによる、想像を絶する追跡劇が始る!!

 ってな書き方をすると面白そうなんだが、脚本に無駄が多すぎて面白くない。
 帰還兵による精神錯乱と、その犯罪を描こうとしているんだが、暴走するハラムの設定が見えないのは致命的。
 コソボでの戦闘がトラウマとなって、という割に、軍は帰国後も彼を使いつづけているという話がある。それは良い。
 であるなら、コソボでの戦闘体験から始った精神崩壊の過程を丁寧に描かなければ、彼の背負っている悲劇性というのが見えてこない。映画の中ではコソボの戦闘 (これもあんまり出来が良くない) しか描かれず、あとは台詞でちょろちょろと出てくるだけだ。

 おそらく人間性を描き出そうという努力なんだろうが、ハラムの恋人 (?) の存在も邪魔だ。中途半端に出てきて、中途半端に説明して、中途半端に消えて行く。
 こんなんだったら出てこないほうがマシ。

 追跡する L.T. も、自分が人殺しを教えた男が殺人鬼になってしまった。彼は自分の行動を悩み、相談してきていたにもかかわらず、実は人を殺したことの無かった自分には、その悩みに答えてやることが出来なかった。
 という二つの苦悩を背負っているはずなのだが、なんだか中途半端。
 ハラムに対する贖罪なのか、自分に対する贖罪なのか。あるいは、その二つの間で苦悩しての行動なのか、そうしたことが全然分からない。

 他のキャラクタも、そうした内面描写が薄っぺら。

 足跡や、相手の心理を読んでの、2人の主人公による追跡劇の描写そのものはよく出来ているだけに、こうした人間の内面を描くことの出来なかった脚本の弱さがもったいない作品であった。

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