デアデビル
監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
出演:ベン・アフレック/ジェニファー・ガーナー/マイケル・クラーク・ダンカン
2003年/米/103分/林完治/☆☆
批評 頭は悪いが力は強い暴力弁護士
盲目の弁護士が、法廷では裁けぬ悪人を、夜な夜なぶち殺す話。
私の目にはどうしても、法廷で勝てないから腕力勝負の暴力弁護士の話にしか見えん。
その原因は、展開は早すぎ、説明は無さすぎるという点にある。
ファンだけ見てくれれば良いと思っているためか、脇役の説明がなさすぎるのが最大。
デアデビルを追いかけている新聞記者は、時々出てきて説明するだけ。動かせばもっと魅力のあるキャラクタに見えるのだが。
同僚のネルソンも、なんで出てきているのか分からない。助けてくれる神父もそうだ。
暗黒街のボスとして出てくるキングピンはともかく、その下で働いていたというヒロイン、エレクトラの父は、いったい何をしていたんだ?
展開の早さも、特に後半は圧倒的だ。
勘違いされてヒロインに刺されて重傷を負う、その誤解が解けた直後にヒロインは殺されて、ヒロインが殺された復讐を遂げて、黒幕に殴り込みを欠ける。
これが一晩のうちに起る。
重傷を負って死にそうなのはもちろん途中まで、それまで動くのもやっとだったのが立って走って殴り合いをする。
もうメチャクチャ。画で弱っていることを強調しているからよけいだ。
盲目の人間が超感覚をもって、というキモとなる設定のビジュアル化は非常に上手だし、格闘戦シーンなどはそこそこ面白い (相変わらず画面は暗すぎ、カットは早すぎる) のだが、それを支えるだけの物語がない。
これじゃダメだ。