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監督:フィル・アルデン・ロビンソン
出演:ベン・アフレック/モーガン・フリーマン/ジェームズ・クロムウェル
2002年/米/124分/松浦美奈/☆☆☆

批評 この邦題がなぁ

 なによりも真っ先に、意味不明の邦題をどうにかして欲しい。

 ロシアの大統領が急死。就任した新大統領は、米国にとってほとんど情報のない謎の人物。
 求心力にかける新大統領は、軍強行派の暴走を産み、それが米国の不信や誤解を生み出してしまう。誤解は解きたいが、大国の面子を維持したいロシアと、両国の不信感に乗じてテロを企むファシスト。

 ポロティカルサスペンスの常套として、正しいのは主人公。
 しかし、それを観客に隠すことなく明かすことで、恐怖のあまり間違った情報分析をすることの恐ろしさを描く。

 この映画の秀逸さは、ただ一人正しい分析を行いつづける主人公ジャック・ライアンをベン・アフレックに演じさせたことだ。
 その外見や態度から、まったく信頼されそうにない雰囲気を見事に醸し出している。
 その辺り、「レッド・オクトーバーを追え!」のアレック・ボールドウィンに通じる物があるかもしれない。ハリソン・フォードだと説得力がある分だけ真実味が無くなっただろう。
 その主人公をささえる老練な CIA 長官にモーガン・フリーマンというのも良かったね。

 そうしたキャスティングに支えられて見え難いが、構造的な欠陥も少なくない。
 描写としては、核の恐怖を描きながら、肝心の核爆発がイマイチ。
 核爆発と言うよりは、無酸素爆弾の炸裂に見える。無酸素爆弾なら原子曇は上がらないし、あんなに強力な衝撃波も出ないだろうがな。
 観客はすでに、爆発閃光、一次衝撃波から爆炎、二次衝撃波にいたるまでを描いた T2 の核爆発描写を見てしまっているということを覚えておいたほうが良い。核爆発の規模が全然違うがな。

 物語としては、ロシアと米国の描写に集中しすぎてテロリストの描写が異様に薄いのが気になる。
 とは言え、2001年夏には撮影が終了していたが、2001年9月11日の同時多発テロで公開が延期されたという経歴を持っている映画だから、テロ事件の後、一部撮影のやり直しと再編集を行ったためにテロリストの描写が異様に薄いのかもしれんが。
 原作通だとアラブ系のテロリストが核爆発を起すのだから。さすがにそれはヤバイもんな。

 個人的に思うのだが、どうせなら「クリムゾンタイド」のように、完全にその場の状況しか見せないように作ってしまった方が良かったのではなかろうか?
 米国の持っている情報だけを横に並べ、それよりちょっと情報を持っている為に正しい情報を分析できる主人公。これしか見せない。
 そうすればロシアの真意がまったく見えず、テロリストの存在が最後まで明白にならない。こうすればより核の恐怖を前面に押し出せると思うのだが。
 もちろん脚本と演出の難しさは格段に上がるだろうけどね。

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