Ardor

密愛
(Ardor)
監督：ビョン・ヨンジュ
出演：キム・ユンジン／イ・ジョンウォン
2002年／韓／分／根本理恵／☆☆

批評　もや

　物語が狙っていることは、それまで流されて生活していた女性が、夫の不倫、自分の不倫、不倫相手の事故死、そして離婚を通して自分の足で立って生きることを学ぶということなのだろうと思う。
　その意図は非常によく伝わってくる。
　けど画が壊滅的につまらない。とにかく最初から最後まで単調な画がダラダラ続く。

　物語がどんなに進んで、登場人物達の人間関係が変化してもカメラワークは変らないし、不倫の噂はいつのまにか町全体に伝わっている。
　日本でもそうだが、韓国でも女優が濡れ場を演じると、それだけでもてはやされたり誉められたりする状況があるんだろうか？
　どっちにせよ濡れ場のカメラワークも全部一緒なので、本来なら発生するはずの心理的変化がまったく伝わってこない。その奥にあるのが恋愛感情なのか、それともただの肉欲なのかも不明だ。

　物語的にも、発端となっているのは亭主の浮気なのだ。それをこの亭主はまったく認識していないし、そのことをヒロインは言わない。
　最後に不倫がばれて、騒いでるシーンでさえ、そっくりそのままお前はどうなんだ？と聞きたくなる。映像的にも淡々と撮っており、男を責め立てる訳でもない。されるがままのヒロインを見ていると、むしろ正論なのか？と思わせるような状態だ。

　非常に退屈な映画であった。

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