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es
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル
出演:モーリッツ・ブライプトロイ/クリスティアン・ベッケル/オリバー・ストコフスキー
2001年/独/119分//☆☆☆☆

批評 極悪な恐怖

 社会心理学では有名な、1971年、米スタンフォード大学での実験をモデルに作られた映画。
 嘘か真か知らぬが、米国では現在なお裁判中の為、この映画の公開は難しいんだとか。

 新聞広告によって無作為に集められたメンバーをいくつかの試験によって「囚人」と「看守」に振り分け、単純な条件を与える。二週間それを続けるだけの、簡単な実験のはずだった。
 しかし役を振り分けられた人間は次第に凶暴に、一方は卑屈になってゆく。
 そして彼らは暴走を始めた。実験とともに...


 とにかく恐ろしい。
 それは「リング」や「回路」が見せた、見慣れた物が変貌する恐怖ではない。「CURE」や「セッション9」が見せた、隣りの誰かが変貌し、巻き込まれるかもしれない恐怖ではない。
 その状況に置かれれば、己自身が暴走してしまうかもしれないという恐怖だ。
 そういう意味では、主人公や同じ独房に入った軍人のような特殊な事情のあるキャラクタよりも、その周囲にいる普通の人間の行動こそ恐ろしいと言えるだろう。


 確かに映画としての不満点も少なくない。
 実は軍の極秘実験であるとか、同じ独房の人間が実は軍人だとか言う設定がまったく活かされていないし、主人公が記者であるというのも、実験を引っ掻き回す口実にしか利用されない。主人公が隠し持っている、眼鏡に偽装したカメラも同じだし、ヒロインの使い方も中途半端だ
 こうした様々な欠点を差っ引いても、この映画の恐怖が薄れることはない。
 見終わった瞬間から、他の誰よりも、己自身を信じられるかどうか。この映画は問い掛ける。

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