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突入せよ!「あさま山荘」事件
監督:原田眞人
出演:役所広司/宇崎竜堂/伊武雅刀
2002年/日本/133分/☆☆

批評 説明不足

 学生闘争の終幕に起き、当時の日本の目をあつめた「あさま山荘」事件の映画化。
 過激派、連合赤軍の数名が管理人の妻を人質に長野県あさま山荘にたてこもった。人質の救出を目指し、10日間にわたって繰り広げられた警察官のドラマ。

 完全に説明不足。
 特に連合赤軍に関する説明が一切無いのは致命的。製作者らの年代には連合赤軍など常識なのかもしれないが、我々の世代だと (1970年代後半生まれ) 名前さえ知らない人が多いのではなかろうか?(念の為注意しておくが、私は少数派である)

 なにせ「あさま山荘」に赤軍が逃げ込む描写が無い。長野県山中で発見された彼らが銃を乱射して逃げて行く画があってそれでおしまい。
 いくらなんでもこれは少なすぎないだろうか?
 あの時点での警察の情報を映像化すると言う目的であったのであれば、たしかに山荘を制圧する描写というのは描かないで正解と言える。しかし、そうするとその前までの情報が一切出てこないのは問題だし、最後まで赤軍とはただのテロリストであるという説明しかないのは問題  あれじゃぁ兵士 vs 警察官と言うより、銃を乱射するだけの暴徒 vs それに降りまわされてなにも出来ない警察官の集団にしか見えない。

「心理学者を派遣したから共同で」という台詞。けっきょくそれがその後どうなったのか説明が無い。
 間違って照明弾を二発打ち上げるシーンでは、情報を正確に伝達できないことから発する混乱を画くが、そもそも事前に照明弾を二発打ち上げて混乱する意味が分からない。途中で一回、台詞による説明は入るが、混乱を演出しているシーンでそんなものを一回言っただけで正確に
 機動隊の展開もよく分からない。
 最初に第九機動隊が派遣されたのは分かる。最後に第二機動隊が派遣されたのも分かる。しかしいつ第三機動隊が派遣されたのかは分からない。どうせ部隊展開の説明をするなら中途半端に説明するのではなく、一から全部説明したほうがバランスが良いのではなかろうか?

 この映画は、そうした説明不足やムラが非常に多い。
 私は原作を読んでいたから見ているときは気が付かなかったが、あえて思い起こすとこうしたムラの多さは十分問題のように思える。

 矛盾という意味では、最後のシーンが致命的だ。
 救出成功の報告を受けてはしゃぐ電話交換士の背景が赤かったり、山荘内の床がやたらと奇麗だったり。
 最後に佐々が山荘から出てくるシーンなど謎だらけだ。
 突入した部隊はどこに消えた?特殊車両は?報道陣は?


 この映画の救いは、警察官が英雄ではなく、一回の人間であることを描くことに成功した点にある。
 朝飯を食い、雪で足を滑らせ、屁をし、寒さに凍え、回ってきたカップラーメンに露しかないと嘆く。
 ...う、警視庁の機動隊にしかそういう描写が無い。
 長野県警の警察官は、むせるほどに煙草を吸い、決死隊に人は出せないと言い切り、ミスを連発し (警視庁の警官もミスはするが) する。
 最後に犯人を連行するシーンくらいか?好意的に書いてるのは。

 ずいぶん差別的な映画だな。大減点。

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