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アマデウス ディレクターズカット
監督:ミロス・フォアマン
出演:F・マーリー・エイブラハム/トム・ハルス/エリザベス・ベリッジ
2002年/米/180分/松浦美奈/☆☆☆☆☆

批評 良いね、何度見ても

 モーツァルト死亡当時にたった根も葉もない噂話の一つを戯曲化。
 その戯曲を映画化したのが本作である。
 1984年に作られたオリジナル版から、カットされた20分の映像を追加したのが今回のディレクターズカット版。

 ある雪の晩、自殺を図った一人の老人。自らを元宮廷音楽長アントニオ・サリエリと名乗る彼は、神父を前に自らの過去を語り出す。
 天才音楽家、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトとの出会いから、彼を殺害するまでを。


 この映画のすごいところは、宮廷音楽長サリエリが劇中のような堅物だったとしたら、劇中で描かれるちゃらんぽらんなモーツァルトに殺意を抱くのは仕方ないと思わせるところだろう。
 誰よりも努力して階級的に上まで上り詰めたにもかかわらず、恐ろしいほどの才能を持った品性下劣な階級的には遙かに下にいる男の方が優れた才能を持っているのだ。最悪なことに、自分はその才能を理解できるだけの能力を有し、しかも絶対に凌駕するだけの音楽的才能が無い
 ディレクターズカット版では、サリエリがモーツァルトに殺意を抱く課程の説明を増やし、またモーツァルトの妻コンスタンティとサリエリの確執も描く。
 オリジナル版ではやや唐突すぎるシーンも、自然な流れの中に収まった。
 そうした意味では、物語が非常にわかりやすくなったと言えよう。

 しかし今回のディレクターズカット版最大の見せ場は、なんと言っても演奏シーン。
 デジタルリマスタリングによって美しい色彩を取り戻した画もすばらしいのだが、音響はそれを越えるすばらしさ。
 結局はデジタルの音なのでかなりエッジのたった音なのだが (これはもう仕方ないだろう)、5.1ch で作られたホールの音はまさに圧倒的。生演奏には遙かに及ばぬが (そもそも比較して良いものではなかろう)“いい音を聞かせてもらった”という気分になる。


 レクイエムをモーツァルトに頼んだのはサリエリではないし、レクイエムの譜面に残された筆跡はサリエリのものではない。ついでに言うならレクイエムは未完のまま、映画の中では存在しないことになっているモーツァルトの弟子の手によって完成させられている。
 また、コンスタンティは病気療養と称して温泉に何度も豪遊していたらしい。
 モーツァルト本人は、かなりの変人ではあったらしい。あの映画と比較してどうなのかは、残念ながら知らない。
 たしかに物語なので史実とはかなり違う。
 それでもこの映画は、忘れ去れれた一人の音楽家。アントニオ・サリエリを表舞台に出した。モーツァルトを殺したかもしれない作曲家という汚名ではあるが。

 余談だが、モーツァルトは病死だったというのが定説。サリエリが暗殺した以外にも、某秘密結社に暗殺されたなどのとんでもない説もある。

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