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監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:マイケル・ダグラス/ドン・チードル/ベニチオ・デル・トロ
2000年/米国/148分/☆☆☆☆☆

批評評 良い意味での問題提起映画

 “麻薬”を軸に、コロンビアで麻薬組織を追う刑事。アメリカの麻薬取締り局 (DEA) 局長に任命された男。アメリカの売人組織へ潜入操作を進める捜査官。の三つの物語が展開される。

 特徴的なのは、それぞれの物語の人物が物語的に交差しない部分だろう。
 無論、コロンビアの刑事の行動がアメリカでの麻薬取り締まりに影響を与えたりする描写はある。つまり、世界はリンクしているのだ。
 しかし登場人物は、せいぜい道ですれ違う程度。そこに関連性はない。

 また、真正面から麻薬を書きながら、本当に描いているのは米国社会の暗部という側面が強い。そして同時に、それを突き放したかのような冷静な視点で撮ることがこの映画にスゴミを与えている。
 たとえば、DEA 局長に就任する男は、仕事の入れ込んでいる間に、娘が麻薬におぼれて行くという皮肉をこめて描写がある。
 これも、一歩間違えればお涙頂戴の展開になる部分だが、ソダーバーグはそれさえも麻薬を売る人間を取り締まることしか考えていない DEA に対する批判と、家族を省みなかった男に対するさめた視線。娘に対する、どこか突き放した姿勢を崩さない。

 また、この映画はそのラストにおいて麻薬取り締まりの困難さを強烈に訴えかける。
 麻薬中毒者の救済。証言者の保護。社会的方策。国際社会の壁。
 最終的にこの映画は問う。売るものと買うもののどちらが本当の悪なのか?
 この映画は麻薬被害が深刻化する米国に、その問いを投げかける。

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