カルテット
監督:久石譲
出演:袴田吉彦/桜井幸子/大森南朋/久木田薫
2001年/日本/分/☆☆☆
批評 ごくごく凡作
高い能力を持ちながら、偉大すぎる父親を乗り越えられないコンプレックスに傲慢な主人公。
音楽は好きだが、ポップス演歌のバック奏者にすぎないヒロイン。
なにをやっても上手く行かないが、演奏することが好きな家族持ちの男。
演奏だけではなく、自分にも自信をもてないお嬢様。
この四人が織り成すカルテットを通して、人間の成長を描く。
四人の性格づけを見てもらえれば想像できる物語を、想像できる通りに作る。物語的に見るべき場所は無い。
演出的にはよく言えば堅実な、悪く言うと平凡な完成度。ただし、音楽と画のシンクロ度は高い。
特に、監督が監督だからだろう、日本映画によくある「製作する側が音楽に酔いしれる」という状況になっていないのは見ていて気持ち良い。
途中で「これは音楽なんざ聞かんだろう」というシチュエーションで音楽を奏でるシーンがある。CM で使われていた牛舎などで演奏するシーンだな。
これはやはり映画音楽の作曲家としての皮肉なんだろうか?映画音楽というのは、画を引き立てるためのもので、聞いてるようでだれも音楽なんざ聞いてないんだろ?という。