どら平太
監督:市川菎
出演:役所広司/浅野ゆう子/宇崎竜童/片岡鶴太郎
2000年/日本/111分/☆☆☆☆
批評 市川美学
役所広司と片岡鶴太郎のコミカルな演技に対して、宇崎竜童と菅原文太が全体をシメるという絶妙の配役。
物語も、かなり「用心棒」を思い出させるが全体としては手堅くまとまって面白い。
この辺は、四騎の会による脚本の完成度をあるんだろうと思うが。
チャンバラシーンなんだが、役所ではやはり三船ほどのキレが無い。かなり三船の動きを意識しているんだが、やっぱりね、という感じ。
そういや、相変わらず血を見せない市川チャンバラは健在だったね。
ちなみに市川崑は「四十七人の刺客」で新しい試みにことごとく失敗したが、どうやらその失敗に気がついた模様。ムリに新しい技術を使うのではなく、手慣れた昔からの技術に戻ったが、そっちの方が時代劇にはあってて良いのではないだろうか。
映像構成技術としては、映像対象を中央に配置し、セットも左右対称に近い形で構成する。
そのため、非常に理路整然とした美しい形式美を見ることが出来るが、それであるが故にちと古い感じを受ける。まぁ時代劇ではそれが良い方に出るのだが、市川菎の現代劇(「天河伝説殺人事件」など)ではそれがマイナスに出る。今回の映画には関係ないことなんだがな。