劇場版 エスカフローネ
監督:赤根和樹
出演:坂本真綾/関智一/三木眞一郎
2000年/日本/110分/☆☆
批評 まとを絞って作らなきゃ
映像を見せるとか、物語を見せるとか、そういうレベルでの作品基準がある。
それがメチャクチャになると、なにがやりたいんだか分からない中途半端な出来になる。
原版となったTV版「天空のエスカフローネ」は、26話の連続という長さを生かし、良く言えば多くの要素を持った、悪く言えばアイディアのごったにとして作られていた。ヒロイックファンタジー・アクション・恋愛・家族...しかしながらそうした数多くのテーマを展開できたのは、作品の長さがあったからではなかったのだろうか?
劇場版の長さは90分、あまりにも短い。その中に無理やりテーマを詰め込もうとすると崩壊することは必至。そして崩壊してしまった。
いかにも尺が短いのだ。急展開する物語、激変を繰り返す各キャラの心理、短くなって迫力不足のアクションシーン(どうやら一秒でも惜しかったらしく、タメまでなくなっちゃった。TV版は、あのタメが“重さ”を表現して、最高の殺陣を演出していたのに)。なまじ作画レベルが高い分だけそれが惜しい。
どうせなら「MACROSS PLUS」のように、映像主体の作品に切り替え、物語も異世界戦闘記のような作り方をしてしまえば良かったのではないか?
それと、こういう作品の場合、キャラを豪快に削るのは大前提。ガデス隊とか、その他大勢で十分じゃないか。