放 浪 旅 行 記

SF大会アフターレポート
− 命 短 し 旅 せ よ 者 共 −

7月12日へ
7月13−14日 [SF大会当日(松江 -> 玉造温泉)]
■12:30 [出雲車内]
 暗黒のゲボボドリンクも終了し、宴は収束に向かっている。まだ続いているが収束に向かっている。。
 しかし私にはもう一つの目的が会った。
 3:47 京都駅。先頭の電気機関車をディーゼルに切り替えるのだ。これは見たい。
 そして本筋も有る。ここで寝ておくのが吉か。ということで宴の現場を離脱。寝る。


■03:47 [京都駅]
 3:30 に起床。3時間の睡眠は、疲れをそれなりには取る。
 松江に到着するのは 10:20 なのでもう一度、ゆっくり寝られるからな。それなりにでも取れていれば問題はなかろう。
 と言ったことを考えつつ、fennek より借りおおせた DV を準備し。
 京都駅に到着するとすぐに切り離し・連結作業を見学のために先頭車両に。


 はっきり言おう。暗くて良く見えなかった...


 ちょっと前まで雨が降っていたらしい、湿ったホームを小走りに客車に戻り、明日に備えて再度寝る。


■10:20 [松江駅]
 松江到着はまだ先だが 7:30 に起床。
 ボケっと外を眺めつつ、朝食を摂る。横になってうとうとしたり。
 ようするにダラダラと体力を消耗しない様に過ごす。こういう時は個室の方が有利だ。

 10:20。定刻通りに松江駅に到着。13時間にもおよぶ長旅もこれにて終了。
 これから在来線かバスで玉造温泉か、と思っていたら時刊新聞社 (SF 大会開催中に無料配布される新聞の企画組をこう呼ぶ) の知り合い I 氏に声を掛けら、そのまま時刊新聞社の方々に合流。
 蕎麦屋に行って、その後タクシーで会場に入るとか。
 駅から蕎麦屋まで歩いたんだが、外は猛烈な暑さ。東京とはまた違う、太陽にあぶられている感じがとても強烈だ。
 無事に蕎麦を食い、そこからタクシーでメイン会場となる、ホテル玉泉に。
 時刊新聞社の方々は早速仕事に突入。私はチェックインまでの時間をつぶすべくホテル内を放浪。


■SF大会開始
 ついに宴が始まった。ここからは時間に意味など無い。次の企画に、他の企画に向けて、ただ動くだけなのだから...

[JAMSTEC]
 海洋研究所の特別公演。
 深海調査船の記録画像など、非常に興味深い物であった。
 なんでもオリジナルはハイビジョンだが、プロジェクタのため画像が荒いんだそうだ。なんでも広報費がなくて今回の企画もけっこう面倒だったとか。閑話休題。
 解像度の関係もあって、海中の映像は粗くてとても見にくかった。
 ナホトカ号(日本海に沈んだタンカー) の画像なんざ細部が飛んじゃってて見えなかったもの。
 とは言うものの大イカの画像など、非常に興味深いものが見ることが出来てとてもよかった。見つけて興奮する船員の声とか入ってるあたりが最高。
 ちなみにヒルムそのものは、横須賀のJAMSTEC (海洋研究所) の見学でも見せてくれるんだそうだ。そのうち見に行きたいね。


[開会式]
 開会式でいきなり星雲賞の授賞式である。まぁそれもよし。
 確かに、星雲賞そのものの結論は出ているからそれでも良いのかもしれん。

 NASDA の野田篤史氏曰く。
 「H2A も来たがっていたんですが、一段目は小笠原の沖、二段目は楕円軌道に乗ってしまい来ることが出来ませんので、代理に私が」
 場内爆笑。
 これで笑いが取れるのが SF 大会という場所の恐ろしさだなぁ。


[テルミン]
 開会式の後、企画準備のための空白時間を埋めるべくダラダラしていると発見。
 テルミンだ!!昨年、映画「テルミン」が公開されたときは、本気で購入を考えたものだ。

 テルミンは、よく知る人とまったく知らない人とに分類されそうな楽器なので説明して置こう。
 ものはロシアのテルミン博士によって作られた、史上初の電子楽器である。

 原理はとても簡単。
 アンテナを使って周囲に電磁場を形成。その電磁場の中に手を入れて静電容量を変化させ、本体内にある二つの高周波発振器に周波数差が発生し、それが音となって出力されるというもの。

 出力される、特に高音域の独特な音は一度聞いたら忘れられない。
 一番手軽に聞くのであれば、東宝特撮映画のUFOの音だろう。
 何とも形容しづらいビブラートの利いた音は、どこかで聞いたことのある人も多いだろう。

 外見は、四角い箱から横に一本、縦に一本のアンテナが立っている。
 横のアンテナが音量、縦のアンテナが音程を制御する為の物で、このアンテナには全く手を振れる必要が無い。
 その変わり、目安となる物が全く無い為、演奏方法の習得が最も難しい楽器とさえ言われている。


 私もきちんと演奏されているのを生で見るのは始めてだ。
 譜面も見せてもらうが、まったく普通の五線譜。やはり頼りになるのは己の感覚だけなのか。
 簡易的なものは触ったことがあったのだが、今回はきちんとした物を触らせてもらう。

 ...難しい。んが、楽しい!!
 欲しいなぁ、と思っていると「楽器屋で売ってるから買えますよ」とのこと。
 そらそうなんだけどね。このサイズのテルミンを演奏できるほど広くて防音の聞いた空間を確保するのが難しいです。


[鉄の部屋]
 なぜかあった鉄道関連の部屋。
 実際には、鉄道好きが集まって話してるだけの休息所に近い。その割に面白かったけどね。やたらと濃いし。
 ただ一つ私には悲しいことがあった。開催地の関係か、話のネタが関西に寄ってる!
 関東以北の、JR 東日本ばかり乗っている私にはちょぉっと分からない部分が多かった。
 その変わり、私の持っている関東以北のネタは面白がってもらえたようだ。
 雪中行軍してみたり、北海道ぶらついてみたり、鉄道旅行はいろいろやってるからな。


[宇宙開発関係]
 書けば面白いんだろうけど、オフレコネタが多い為書けない。

 ちなみに ISS (国際宇宙ステーション) で使用しているシステムが Windows2000 で、ロシア側のシステムより落ちるとか言われていて大迷惑してるという話だが、実際には米側メールサーバーが Windows2000。ISS のシステムの一部、というべき。
 頻繁に落ちて評判が悪いのは本当らしい。なんでもロシアのシステムよりよく落ちるとか。
 他にも Windows 採用予定のシステムの話で、明らかに間違いだと言う情報もあった。
 だって Windows2000 のサポート終了ってもう判明してるもの。それより後の計画が出てきてたもの。


[ほしのこえ上映会]
 新海誠が一人で製作したアニメーション作品「ほしのこえ」の上映やら製作話やら、現在・今後の自主制作アニメーションの話。
 作品製作をバックアップしていた MANGAZOO はもちろん、DoGA の方までいらっしゃったのは印象的であった。

 まず DoGA の上映会であるが、悲しいかな上映作品のほとんどが2000年の東京国際ファンタスティック映画祭とかぶっていた。
 その割に「WIVERN」や「リュウセイバー」がダイジェスト版 (「WIVERN」はファンタでもダイジェスト版だったが) だったのが残念。SF 大会という場を考えると、特にリュウセイバーなど全編公開してもらえれば大受けだったろうに。

 「ほしのこえ」は以前見た、そして DVD で出ている物と同じ。
 あたりまえだけどな。
 個人的には、やはり前作の「彼女と彼女の猫」の方が好きだ。SF 設定の作り込みの甘さが気になって仕方ない。良く出来ているだけに、作り込みの甘さが目立つんだよね。
 作画や演出というのは、テクニックで誤魔化せるし、そうしなければ自主制作ではやって行けないと思うんだけどね。

 実際、製作テクニックの実演を見ると、画を作る時に「どうやって手を抜くか」というのは凄い。ちょっとしたアイディアで、ここまで違う画を作れるんだと感心する。


[その他]
 合間合間に他の企画を覗いたり、ディーラーズルームにも行ったりしてたのは毎度のごとく。
 「ワールドコン日本誘致」の話とか、ついでにプレサポートへの登録とか、まぁ色々。
 毎年恒例のように、ディーラーズルームで口車に乗せられて買うつもりの無い物まで買わされてるし。
 自主制作特撮ビデオセットとか、口車に乗せられて買っちゃったのは秘密だ。ちなみに内容に関しては「とても笑えた」とだけ述べておこう。


[閉会式]
 すでにファンジン大賞も星雲賞もやってるじゃん!!
 閉会宣言以外なんかやることあるのか!?と思うが、そう、最大のイベントがあるのだ。
 暗黒星雲賞。
 去年と同じ姉妹がコスプレ部門で受賞、したのは良いが今年はネタが分からん。「ぴたテン」って何?(その後入手して読むが、やっぱりなんだか分からなかったのはただの事実である)
 企画部門が食事というのも、とても暗黒星雲賞的と言えよう。

 そんなこんなで今年も SF 大会は終了した。
 あまりにも“濃い”時間であったため、文章にするのは難しい。あの空気を伝えるのに、言葉はあまりにも無力だ。
 私の筆力不足も原因なのだがな。


7月14日へ続く
( ま だ 製 作 中 だ け ど な )