渋谷シネ・ラ・セット

最寄駅 : 渋谷駅
座席数 : 40席
電 話 : 03(5458)9267

出来れば二度と行きたくない
 エレベーターを降りると、目の前がチケット売り場。
 前売券であっても、ここに並ぶ。当日発売とモギリが同じというのは、人の流れを考えると、極めて無駄が多いんだが、場所的にやむをえなかったのだろう。

 あわせて、ここでソフトドリンク無料券ももらえる。
 あんまりうれしくない。というのも、カップジュースでストロー無しなのだ。本編が始まってから飲もうとすると、自分の視界がふさがれるのはもちろん (これは自業自得だ) 、後ろの席にも迷惑がかかる。

 チケット売り場から左右に通路が伸びているが、左に行くとスクリーン前方左側から、右に行くとスクリーン後方左側からの入場になる。ロビーと言える空間は、この通路のみ。ミニシアターらしい狭さであると言える。
 通路 (ロビー?) は薄暗く、ある程度の光り漏れ対策が考えられている。

 最大の問題は、中に入ってから。
 天井が圧倒的に低い。おそらく、普通のビルのフロアの高さそのまま。
 当然だが、スクリーンを上に持ってゆくにも限界がある。自然と、座席に傾斜を付けざるをえない。
 これだけ傾斜があれば、確かにスクリーンは見やすいが、低い天井はもはや「迫り来る」という表現がふさわしい。
 追い討ちをかけるように、天井からぶら下がっている DLP 映写機 (一瞬、三管式プロジェクタかと思って戦慄した) は、最後列からだとスクリーンにはかぶらないが視界には入る状態。けっこう目障りだ。
 しかも肩越し後方に映写室がある。もしかしてヒルム上映のときはここから上映するのだろうか?どの列であっても、劇場の中央を横切ると“食”を起こしそうな位置なんだが。

 天井の低さの他に、内部がかなりデコボコというのも見逃せない。
 支柱で壁がデコボコなのだ。だたでさえ天井の低さで狭い感じを受けるのに、このスッキリしない形のおかげでさらに狭い印象を受ける。

 さらにその変則的な形の内部の通路は、スクリーン向かって右側にしか無い。
 その通路は、フットライトがかなり明るくついている。実に目障りだ。通路沿いに座るのは止めた方が良い。
 常夜灯は消えているが、この天井の高さで付いていたら恐ろしいことになりそうだ。

 だが、消えている常夜灯に安心してはいけない。天井にはもう一つの機械が埋められている。
 エアコンだ。このエアコンの動作音がかなり五月蝿い。動作音そのものもだが、排水音が聞こえてしまい、常にピチャピチャ言う音が聞こえてくる。
 新宿のシネマスクウェア東急もエアコンが五月蝿い映画館だが、ここまで酷くない。

 挙げ句、防音がいまいちなため、最後列に座っていると (前方のドア付近には座っていないのでそちらでは分からない) ドアの向こうで劇場係員が談笑しているのが聞こえる。


 ビルの中のデッドスペースに、とりあえずの防音だけ施して、無理矢理作り出した映画館。そんな印象を受ける。
 なによりも、致命的に雑音が多い。ここでしかかかってない映画ならしかたないが、そういう映画でない限り、もう二度と行きたくない。
(YaNac)


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