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トゥルーマン・ショー
監督:ピーター・ウィアー
出演:ジム・キャリー/エド・ハリス
1998年/米/103分/戸田奈津子

批評

 リアリティーは全くありませんが (完全にない、こんなことやったら間違いなく人権問題になる。技術的にも無理がある)、そういう映画ではないのでOK。(話の焦点がちがう)
 この世界は「誰か」によって作られ、自分は「誰か」に監視されている。
 この基本は、聖書でしょう。
 「誰か」が、観客にとって超越的な存在ではなく (主人公にとっては超越的ですが) TV 番組スタッフというのが、面白い所。

 ただ、この番組スタッフ、想定外のトラブルが起きたときに逃げ出すのはよくありませんね。
 映画のように“計算されたドラマ”であればともかく、“リアリティ番組”であれば、トラブルはドキュメンタリを盛り上げる要素だと思うのですが。

 所々で、こうした新しい視線が入り込んでいますが、「人生は何者にも束縛されることはない」という非常に古典的なテーマを、丁寧に画いた作品です。
 テーマは古く、書き方にはひねりを、ということでしょうか。

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