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最低映画への
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徒 然 草

掲 示 板

だれもがクジラを愛してる。
監督:ケン・クワピス
出演:ドリュー・バリモア/ジョン・クラシンスキー/クリステン・ベル
2012年/米/107分/伊原奈津子/☆☆☆

批評 誰もがクジラを愛しているわけない

 自然環境団体を名乗るグリーンピースは、クジラが閉じ込められているのを環境破壊のせいだと騒いでいるだけで、実際問題としてクジラが生きて脱出しようが死亡しようが、彼らの宣伝に困ることは無いからだ。
 マスコミは騒ぎの結末がどうなるとしったことではない。騒ぎが大きくなってくれれば、視聴率が稼げるし、社内での自分の立場もよくなるからだ。
 逆に、環境破壊の権化のように扱われている石油採掘会社は、クジラに死なれては困る。環境保護団体に叩かれる原因になるし、助ければ恩を売れるからだ。
 政治かも同じ。マスコミの騒ぎによって注目度があがっている以上、なんとしても助けなければならない。ただでさえ不人気なんだから、必死だ。

 と、どう考えても、報道を見て、後からきた連中はクジラの事なんか愛してない。
 自分のことしか考えていない。
 石油会社と政治家は、その事を隠そうともしないが、環境保護団体は、その事を一生懸命隠している。
 そして、映画もまた、環境保護団体がクジラも生死を気にしていないという事実をあからさまにはしていない。

 指摘はするが、すぐに収束させてしまう。
 たとえば、「自然の恵みだ」と捕鯨を主張するイヌピアック族は、「クジラもそれを望んでいる」という。
 グリーンピースは「へぇ、クジラはあんたにそう言ったのか、食べてくれと殺してくれと」という言い方をして糾弾する。映画はそれを淡々と撮る。
 そしてグリーンピースは「クジラが助けてといっている声が聞こえる!」という主張を堂々とし、映画はそれを感動的に取り上げる。
 「へぇ、クジラはあんたにそう言ったのか、お願いです助けてくださいと」という反論を含め、淡々と撮る事はしない。
 とてもとても気分が悪くなる組み立てだといえよう。

 捕鯨は生活に必要だと主張し、自然を敬い、殺生をしようとしているイヌピアック族が、もっとも自然を敬い、クジラを大切に思っている。
 「クジラを助けよう!」と主張している人たちが、クジラのことなんか考えていない。
 この対比を、もっと鮮明にする毒まみれの内容にすれば、もっと面白くなったんだろうなぁ。
 このつくりだと、なんか中途半端に感じてしまう。

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