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YOYOCHU SEXと代々木忠の世界
監督:石岡正人
出演:代々木忠/笑福亭鶴瓶/槇村さとる
2010年/日/115分/☆☆☆☆

批評 私の視点もおかしいのだが・・・

 AV 監督、代々木忠のドキュメンタリ映画。

 中盤までに語られる AV の歴史がとんでもなく面白い。
 斜陽産業と化した映画界の中で、先陣切って経営状態が悪化した日活が、いかなる理由でピンク映画に目をつけ、日活ロマンポルノを生み出し、ピンク映画業界がロマンポルノ業界と一体化し、最終的に「猥褻か表現(芸術)か」という裁判に突入していったのか。
 ピンク映画がビデオ販売に手を出し、レンタルビデオに飲み込まれて、その中で、あらに内容もどんどん変容して行く。
 その部分のあまりの面白さよっ!!

 ロマポル裁判の中、元ヤクザで「気が短くて怖い所がある」と奥さんにまで言われてしまう製作担当の代々木忠が、会社は逃げ出し、監督が敵に回っり「カタギはこんなもんか」と思いながら、それでも裁判を続ける下りは、まさに日本の表現戦争史。
 東京都とアニメ / 漫画業界の戦いが「今」であることを忘れさせるものだ。

 この映画最大の欠点は、こうした、日本の“裏”映像史とも言うべき部分の圧倒的な面白さにあると思う。
 その部分があまりにも魅力的であるが故に、少なくとも私のような人間には、代々木忠という人間を中心にした、この「日本の“裏”映像史」こそが見たい気分になってしまった。
 また、レンタルビデオに主戦場を移した AV 業界が、商業的な理由で変容をとげて行く中で、自分の撮りたい、あるいは見たい物を追うその姿勢に「カタギは・・・」とかつて思った人間の生き様が見えるからだ。

 そういう視点で見ると、ロマポル裁判の中、会社もスタッフも逃げ出し、自己資金で裁判を闘わねばならない状況下で、彼は一歩もひかなかったのだろうか?という部分へのツッコミ不足が目立つ。
 映画は、あくまでも主軸を「代々木忠」においているのであり、映像史を使って代々木忠を立体的に浮かび上がらせるという手法を使っていない。
 それ故、歴史部分に対する指摘が甘くなるのは当然といえば当然なのだが、“知らない人にも”という説明のために組みいれた歴史部分の紹介が、図らずともその立体的に浮かび上がらせることを見事にやってのけてしまっているだけに、ブレているわけではないにも関わらず、視点のブレのようなものを感じてしまう事になったのは残念だ。

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