涼宮ハルヒの消失
監督:武本康弘
出演:平野綾/杉田智和/茅原実里
2009年/日/163分/☆☆☆
批評 映画かぁ?
TV アニメ、「涼宮ハルヒの憂鬱」劇場版にして、同名原作小説の映画版。
TV アニメの続きなので、もちろん TV アニメを見ているのは前提。
見ていなくとも、ここまでの原作小説を読んでおく必要がある。
映画の内容は、ほぼ原作小説の忠実な映画化。切るべき部分、残すべき部分の取得 / 洗濯はお見事。
だが、画映画としては TV スペシャルの域を出ていないと思う。
物理的に画面の小さい TV 番組では、映像での表現に限界がある。
解像度的に見えていても、物理的に視認が困難な場合があるからだ。
しかし、劇場の場合はそうではない。
TV と比べるとばかばかしいほどの解像度と物理的な画面サイズ、そして色の数がある。
よって、映画演出と TV 演出の違いが現れる。
映像で説明し、台詞で補足する必要が有 / 無という違いだ。
この映画は、残念ながらその差分が無い。
どう考えても、見てれば分かるだろうという部分をいちいちいちいち台詞で説明する。
CM が無い事を活かそた間の取り方。
実写におけるレンズの効果を使った画面作り。(押井守の影響を強く感じるが)
全体は確かに、TV ではない、劇場作品を意識させているのに、過剰な台詞説明がいちいちいちいちその流れを切断する。
そんなに演出に自信がないのか?
見ていれば分かることを台詞で説明しないと、客には分からないと馬鹿にしているのだろうか?
まぁ、たぶんどちらも意識していらず、差分の意識がないだけなのだろうが。
非常に、残念なことに。
なお、原作小説はもう数年前から停止中・・・