火天の城
監督：田中光敏
出演：西田敏行／福田沙紀／椎名桔平
2009年／日／139分／☆☆
批評 んでなにがやりたい？
織田信長が作り上げた、伝説の城。安土城。
その建築を命じられた大工達の苦闘を描く。
ということになっているのだが、いまいち、映画が何を描きたいのかが分からない。
築城困難な城を命じられ、“いかにして築城するのか”に焦点を絞った、いわば戦国版「ProjectX」(少々前のネタだが) かと思いきや、物語の主軸は大工の棟梁が、いかにして大黒柱となら大木を手に入れるかと、大工の棟梁と、その家族の物語になっている。
しかもどちらも、(どれもと表するべきか) 実に中途半端だ。
巨木を手に入れる物語にしては、その過程があっさりしすぎているし、家族音物語としても、娘が父を許す過程があまりにも手抜きだ。
大工たちの人間ドラマはほとんど入っていないのに、突然恋愛劇が始まって、強制的に“ニンジャバトル”で終局を迎える。
こうした中途半端さと支離滅裂さが、全編を貫き、混乱した物語を構築している。
なんなんだかなぁ。
駄目脚本映画の、王道みたいな出来ですな。
東映の時代劇は、最近そんなんばっかりだ。