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監督:ピート・トラヴィス
出演:デニス・クエイド/マシュー・フォックス/フォレスト・ウィッテカー
2008年/米/90分/松浦美奈/☆☆☆☆

批評 あと一歩で大傑作っ!

 スペインで開催されている国際首脳会議。
 大衆の前に立った米国大統領が何者かによって狙撃される。
 混乱する会場では、さらに爆弾が炸裂。

 物語は、ここから23分前に、“幾度も”さかのぼる。

 ひとつの事件を、複数の人間の視点で見る。
 これそのものは、そう珍しいものではない。
 だが、その多くは、ひとつの事件を同時に多数の視点で見せるというものだ。
 しかしこの映画では、ひとつの事件を、特定の視点で見た後、また時間をさかのぼり、また別の、特定の視点で見せて行く。

 黒澤明「羅生門」と似た方法だが、「羅生門」が、語り部によって事件が大きく異なってゆくのに対し、この映画では、事件そのものは変わらず、観客が手に入れる、事件に対する情報が変わってゆく。

 特徴的なのは、この回想シーンの繰り返し回数が多いこと。
 幾度も幾度も、狙撃シーン前後を見せられる。
 またその繰り返しの時間範囲が狭いのも特徴的だ。

 おそらく、狙撃前23分から、後は、おそらく60分にも満たない。
 登場人物の抱える様々なドラマも、この中でしか語られない。
 これは、必然的に“なにか事情があるんだろう”程度のことしか観客にしらされない事になるが、その程度の描写に終始する事で、スピード感は増している。

 残念なのは、複数視点を交差させて事件を立体的に浮かび上がらせるという手法を、最後まで守れなかったことだろう。
 ここまでやるのであれば、ぜひ、個人の視点を最後まで貫いて終わってもらいたかった。

 それが出来ていれば、近年まれにみる傑作になったかもしれん。
 猛烈に面白いだけに、そこが残念だ。

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