ハプニング
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:マーク・ウォールバーグ/ズーイー・デシャネル/ジョン・レグイザモ
2008年/米/91分/松浦美奈/☆☆
批評 だから何?
ある日、突然、人が死に始める。
アルフレッド・ヒッチコック「鳥」に似ていると思う。
なんだかよく分からないが、登場人物は生命の危機にさらされ、その危機から、ひたすらに逃げまくるという基本プロットは本当にそっくりだ。
だが、出来はだいぶん異なる。
なによりも、この状況に
どうでも良い説明は、しない方が良いと思う。
登場人物たちが、事態の中で妄想ともいうべき仮説を述べまくるというのならばまだ分かる (思えば、黒沢清「回路」はこの方法だったな) のだが、本作ではそうではない。
理由なんぞいっさい説明せず、原因不明の謎の事態が突如始まるほうが、よほど怖いし不気味だと思うのだが。
さらに余計なエピローグのおかげで、作品の主題の一つかと思われた、家族の、親子の物語という側面がボケる事となっている。
北米大陸の一部でしか現象が発生していなかったのに、「どことも連絡が取れない」とのたまう鉄道員や、人数制限についても、車で死の街に入った人数が5人なので後の描写と矛盾する (そもそも一人で死んでいる人もいるのだが) 等の些末的問題はさておけるほど、根本が弱い作品であった。
気にならない人には、それなりに面白いのかもしれんがな。