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帝国オーケストラ
監督:エンリケ・サンチェス=ランチ
出演:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2007年/独/97分/吉川美奈子/☆☆☆☆

批評 狂気、二律背反、芸術、政治

 天才の名に相応しいフルトヴェングラーが、ベルリン・フィルとともにナチスドイツに利用されてゆく姿と、その中での苦悩を描く。

 多くの楽団員がノンポリである中、一部のナチス党党員とユダヤ人演奏者の間に発生する確執。
 政治に翻弄される演奏者。
 ナチズムという名前の狂気により、最高のオケという看板が、芸術を大切にしている、という看板によって利用されるその有様。

 歴史的に考えて「ドイツ国民がナチス党を支持した」のは間違いない事実だ。
 その意味合いにおいて「仕方なかった」「楽団とは関係ない」という意見しか出てこないこの映画は、ぬるい。
 しかし、政治が芸術を、音楽を利用して宣伝したという事実。
 利用されてしまう事実。
 その上にいれば、同時に己の安全が得られるが故に努力する事実。
 外れれば、兵役で死ぬかもしれないという事実。

 ぎちぎちと、時代が音を立てている時代、いやになるくらい感じられる映画であった。
 ボケられるほどの平和に感謝しようではないか。

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