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運命を分けたザイル
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ブレンダン・マッキー/ニコラス・アーロン/オリー・ライアル
2003年/英/107分/石田泰子/☆☆☆☆☆

批評 DVD のメイキングが楽しみだっ!!

 ペルー・アンデス山脈。

 二人の英国人クライマーが、前人未踏のシウラ・グランデ西壁に挑んだ。

 そして、下山中に事故は起きた。
 滑落し、骨折した仲間。見捨てることなく下山行動を続けるザイル・パートナー。しかし、悪天候下で再度滑落。

 ザイルの先は、お互いに見えない。
 だが、このままでは、お互い確実に、死ぬ。
 極限状態で、禁断と言うべきザイル切断を決断する...


 映画は、極限状態から生還した二人のクライマーの回想を再現する方式で組み立てられている。
 そのため、「生き残れるのか!?」という緊迫感、あるいは、「相手がどうなっているのか!?」という緊迫感はほとんど無い。

 物語を引っ張るのは、ザイル・パートナーの生死を確認せず「殺してしまった」という苦
悩を持つ男と、骨折という (登山においては) 致命的な怪我を負った状態で、一人で取り残された「絶望的状況下で生還を望む者」の二人。

 この二人の「生」への葛藤と苦悩が全編を引っ張る原動力となっている。


 映画最大の欠点は、事故当時を振り返る当人たちの映像と、再現ドラマを平行して描くため、映画の展開が犠牲になっている部分があることだろう。
 TV ならば一番良い場面で CM に入るみたいな状況が普通に発生する。
 興味を引かせる手段のつもりかもしれないが、集中力がとぎれるだけだ。

 もう一つは、登場人物はほぼ二人だけで、さらに雪山の中だけで進行するという難しい内容が上の欠点と結びついている部分があること。

 卓越した心理描写と編集、優れた役者の演技。そしてなにより、本当の雪山で撮影された問答無用の映像迫力がかなり補っているが、やや中だるみしている部分がある。
 その中だるみした部分が、上の欠点と結びついている部分は冗長に感じられてしまう。

 もっとも、そんなことは些末的な問題だと心底思える、強烈な映像体験をさせてもらえたが。

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