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オペラ座の怪人
監督:ジョエル・シューマカー
出演:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン
2004年/米/143分/戸田奈津子/☆☆☆

批評 つくづくもったいない映画が、年間数本あることを確認できる

 ガストン・ルルーの名作「オペラ座の怪人」を、現代のモーツァルト、アンドリュー・ロイド=ウェバー (個人的には、ミュージカルの救世主であって、モーツァルトではないと思うのだが) がミュージカル化。それを映画化したもの。

 物語そのものが、ほとんど劇場の中だけで物語が進行するためか (これは原作でもそう)、劇場そのものと衣装にものすごく金をかけたらしく、ビジュアルはものすごく豪華。

 舞台の構成を可能な限りそのまま映画化する方式のためか、もしかして舞台は2部構成か?と思わせる部分が残っていたりするし、後生から「オペラ座の怪人事件を降りかえる」という構造のため、時々"今"に戻ったりするのは、映画ではやや集中力が切れる原因となっているような気もするが (舞台では場面転換の時間作りではなかろうか?)、賢覧豪華なビジュアルは、そのあたりの欠点を存分に覆い隠す"映画ならではの仕掛け"と感じられた。

 生の芝居を、ある程度距離を置いて見る舞台では、衣装や美術を細部まで徹底的に作っても客席からは見えない (という事を考えない劇団も少なからず存在するが) が、拡大されて映る映画なら存分に堪能できるからな。


 だがしかし、映画だからこそやるべきだった部分をおろそかにするのは頂けない。


 まず、ファントムのメイクが美しすぎて説得力が無い。
 舞台では、たしかに周辺の人間のリアクションでごまかせる (というか、ごまかすべき) 部分だが、映画ではアップになるのでごまかしが効かない。
 あのメイクでは、少なくとも「顔とは思えぬほど酷く歪んでいる」と形容されるほどではないだろう。
 次に、歌を後撮りできるという油断からなのか、主要3人は特に、歌の声量と口の開き方に違和感がありすぎる。
 実際に現場で、全力で歌わせておいて、さらに音を重ねる方法を使わなかったのだろうか?
 このあたり、(どう撮影したのかは知らんが) バズ・ラーマン「ムーラン・ルージュ」は処理が上手かった。

 映画的、というよりも、物語上の最大の欠点は、クリスティーヌより、ファントムの歌唱力が劣っているという事だろう。

 一見豪華絢爛な映画ではあるが、詰めは甘い。
 もったいないね、こういう映画は。

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