着信アリ
監督:三池崇史
出演:柴咲コウ/堤真一/吹石一恵
2003年/日/112分/☆☆
批評 アイディア倒れ
自分の携帯電話から、自分の携帯電話に電話がかかってくる。
留守番電話に記録されたその声は、自分が死ぬときの声。時刻は、死ぬ時刻。
突っ込み所満載。
ビデオに呪いが込められる「リング」は、なぜビデオなのか?という疑問にいちおうの答えを用意していたが (突っ込みを入れるのは難しくない答えだったが)、本作ではなぜ携帯電話なのか?という解答はない。
途中で介入してくる TV 局は、あれだけの超常現象を見せ付けられて、なんで主人公を放免してしまったのだろうか?
呪いの本体となっている人物は、なぜ無差別に人を呪うようになったのだろうか?
虐待行為はなぜ発生したのだろうか?
こうした物語的な欠点とは別に、細部描写の甘さが、恐怖シーンでむしろ笑えてしまう原因となった。
一番良い例としては、電車の前に飛び降りる (落とされる?) シーン。
あの位置から垂直落下して先頭車両に直撃するのは無理です。なぜって?上の架線 (電線ね) に引っかかるから。
CG 合成なのはミエミエだけど、細部を作り込めばもうちょっとビックリ出来るシーンになると思う。
「携帯電話を媒介として呪いが伝染する」という発想が先にあって、それを元に物語を組み立てたら穴だらけになったのではなかろうか?