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監督:ブレット・ラトナー
出演:アンソニー・ホプキンス/エドワード・ノートン/レイフ・ファインズ
2002年/米/125分/戸田奈津子/☆☆☆

批評 非常に見やすい

 この映画が成功した理由であり、同時に最大の欠点となったのは、致命的なまでに恐くないことだ。
 「羊たちの沈黙」にしろ「ハンニバル」にしろ、サイコサスペンスとして成立していた。ラトナーが分を知っていたのか、無理だと悟っていたのか、他人の真似をしおて無様にこけるのを察したのかは分からんが、方針を大幅に変更し、アクション色をちりばめて作品を構築した。

 さらに、キャラクタとしてのレクターを観客が熟知していることを逆手に取り、ミステリー映画の謎解きさえ放棄する。
 レクターは非常に頭の良い冷静な男であり、彼の分析はつねに正しい。このことを隠すことなく同等と前面に出したおかげで、妙に物語を引っ張ること無く、テンポで見せることに成功した。

 引き換えに、犯人のキャラクタにあつみがたりなかったり、被害者の共通点に無理があったりするが (ビデオ製作を依頼した家族があの三家族だけとは考え難い等)、この作り方なら致命的な欠点に成ることはないだろう。

 原作以上に、この映画の物語の魅力となっているのは男達の背負った悲しみだろう。
 犯人の心に入り込むため、ともすればその悲しみさえ背負ってしまうグラハム刑事、己の醜悪な感情を芸術として昇華してしまうハンニバル、コンプレックスをひた隠す為に神に成ってしまう咬み付き魔。
 残酷シーンをカットし、ビジュアル的に見やすくなったのはもちろん、こうした悲しい人間ドラマを主眼にしたため、シリーズ中でもっともわかりやすく、そして悲しみの伝わる映画になった。

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