WATARIDORI
監督:ジャック・ペラン
出演:カオジロガン/ハイイロガン/クロヅル
2001年/仏/99分//☆☆☆☆☆
批評 衝撃的映像体験
ものすごい映画だ。
全編、ほとんど何の説明も無く100種類以上の渡り鳥が延々と映されるだけ。
時折、本当に時折、ナレーションが入るが、それだけ。
音楽も、OP と ED の曲以外は記憶に残らないような使い方しかされていない。
ひたすらに渡り鳥が映され、その羽ばたきと鳴き声だけが聞こえてくる。ただそれだけの映画だ。
だが、その映像と音はまさに圧倒的としか表現できない。
群れの後ろから追いかけていったカメラが、その群れの中にそのまま入り込む。飛んでいる鳥の、その脇をカメラが並んで飛ぶ。この映像的衝撃。
飛翔する鳥の筋肉の動きまでもが映りこんでいるこの映像!!その衝撃!!
監督のジャック・ペランは、この映画をドキュメンタリーでは無いと言った。
画コンテを作り、狙って画を作っている。インタビューでもそう語っていた。
まったくもってそのとおり。この映画はドキュメンタリーとしてはまったく成立していない。
しかし、それでも、いまだかつて見たことの無かった映像が、ここにある。
LD でのソフト化を強く希望。絶対に無理だろうけどね。