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監督:キム・ヒョンジョン
出演:ハン・ソッキュ/コ・ソヨン/チョン・ホジン
2003年/韓/123分/根本理恵/☆☆☆☆☆

批評 硬質な映画を作ってきたなぁ

 韓国諜報員の北朝鮮への潜入と、その反対、北朝鮮諜報員の韓国への潜入。
 潜入したスパイ個人の意思とは関係なく進行する、南北間で繰り広げられる諜報戦を舞台に、悲劇の幕が開ける...

 本作は、「シュリ」や、その後の「JSA」でさえあったエンターテイメント色が極限まで押さえられ、地味に重苦しく展開する。

 北朝鮮からの亡命者を、敵か味方か判断できない韓国諜報部。
 彼の持っている情報は知りたいが、彼が工作員だったら偽装情報をつかまされ、こちらの情報が筒抜けになる危険。
 そうした緊張感のある物語に合わせてか、モグラとも呼ばれる諜報員の生き様にあわせてか、エピローグを除いて色彩までもが押さえられている。


 祖国愛が唯一のものに化けてしまった男の、これは悲劇だ。
 見返りの存在しない、祖国への愛情が絶対唯一のものになってしまったがために、女性との恋物語にも華やかさは微塵も無い。見返りの無い人生の中で、けっしてかなうことの無い恋をしてしまった二人の、見を引き裂くような悲しさ。

 この映画を見る上で、バックグラウンドに冷戦があることを忘れてはならない。
 北朝鮮は、対民主国家の最前線国家として、ソ連、中国からかなりの経済支援があり、現在と違い、それなりの生活レベルを誇る国家だった。
 韓国は、まだ軍部支配が強く、民主国家とは言いがたい国家体制だった。そういう時代の物語だ。

 若干矛盾している部分もあるが、それを抑えるほどの勢いもあるし、緊張感もある。
 欠点としては、主人公が北朝鮮諜報員であるかどうかが導入部分で分かり難くちょっと混乱するのと、後半に行くに連れて、物語が複雑化し、若干話が分かり難い。
 なによりも、エンターテイメント性がほとんど無く非常に疲れる。
 それが欠点だと言えよう。

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