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tokyo.sora
監督:石川寛
出演:坂谷由夏/井川遥/仲村綾乃
2001年/日/127分/☆☆

批評 構成をもっと丁寧に

 東京に暮らす6人の女性を主題にして撮った映画。

 この6人は東京で暮らしている、ということと、アパートで隣の部屋に住んでいるといった些細な接点を持っているだけで、基本的に関わり合いが無い。
 そんな彼女たちを役者が演じるのではなく、普通に暮らしてもらってただ撮ったような不思議な映画だ。
 彼女たちは名前さえほとんど出てこない。非常に印象的に出てくる“雪”という名前でさえ、本名かどうか分からない。

 そんなかで描いているのは、それぞれ抱えている孤独であり、悲しさであり、誰もが持っているような寂しさにも通じる感情だ。その悩みの大きさは、死に至るような大きな物から恋愛感情に通じる些細な (本人にとっては重大な) 物まで。ただ共通しているのは、登場人物がこと  彼女たちの物語が、ただ2人の物語を除いて物語 = 人生として絡むことが無いのもその孤独感を強調している。

 それは分かる。言いたいことはよく分かる。
 しかし章分けされてたオムニバス形式を放棄したためか、彼女たちの物語の切り替えが、時にスムーズに、時に突然切り変わるという非常に荒っぽいものになってしまった。
 同じように、終ったかと思っていたエピソードが突然再開したり、続くのかと思うようなエピソードが放ったらかしになったりと、実に荒々しい。
 青を基調とした色彩や、カメラワークなど画的には非常に落ち着いた内容なのに、バランスが悪い。

 それとキャラクタが非常に分かり難い。名前が出てこないことと、孤独だと言う事実がそれに拍車を掛ける。
 中国人 (推測) のキャラクタなんぞ、キャラクタその物が矛盾しているように感じる。
 パンフレットによると“留学生”と書いてあるが勉強しているシーンは日本語の学校だけだし、日本語の能力も高い描写 (読めているかは分からないが、図書館の本を借りている) と低い描写 (日本語の会話が成立しているように見えない) が共存 (同じ日の一つの出来事の中) し
 とにかく奇麗なビジュアルを並べて、こういうのが作りたかった、こういう事を語りたかった、という監督の想いは分かる。
 けど、そればかりが空転してしまった映画に思える。
 せめてもうちょっと構成が上手ければ良い映画になったと思うんだけどねぇ。

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