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タイムマシン
監督:サイモン・ウェルズ
出演:ガイ・ピアーズ/サマンサ・マンバ/ジェレミー・アイアンズ
2002年/米/96分/佐藤恵子/☆☆

批評 中途半端

 H.G.ウェルズの原作を、アウトラインだけ借りて作ろうとしたらそれを徹底できなかった。

 最愛の彼女を失った主人公は、その過去を変えるべく寝食を忘れてタイムマシンを開発する。
 しかし、タイムマシンで過去に戻った彼は、それでも彼女を救うことが出来ない。
 公園で殺された彼女は、今度は車にひかれて死んだ。
 「なぜ救えないのか?」その答えを探し、未来へと向かう...

 前半と後半のギャップがありすぎる。
 タイムマシンを作る理由説明としてはとても説得力がある。
 映画ではおそらく不可能であろう細々とした説明をふっ飛ばしたのも正解。問答無用でレトロなタイムマシンを作って、過去へ行くのは上手い。
 過去に戻って、それでも彼女を救えなかった失意から、もう一度彼女を救うべく努力するのではなく、その原因追求に向かうと言うのは、主人公が学者である故なのだろう。

 物語はここで未来へと進む(ここの未来への描写は、ジョージ・パル「タイムマシン」へのオマージュになっているので、ファン必見)。原因が判明しているであろう未来まで。

 しかし、その未来ではまだ分かっていない。それどころかタイムマシンンが認められてさえいない。
 ここでちょっとおかしい描写があるのだが、そこは無視しよう。

 原因追求をすべく、彼はさらなる未来へと向かうが、事故により80万年後まで飛ばされてしまう。
 ここから先がボロボロ。

 そもそも物語的に80万年後まで行かなければならない理由が見当たらない。
 盲目的な技術進歩に対する警鐘という、原作の意味がこの作品に無く、タイムマシンンの存在意味や、いくつもの作品で幾度と無く問い掛けられたタイムパラドックスへの疑問を持ち出した以上、物語はそこに向かうねきだったのではなかろうか?

 この映画はそうした流れを放棄し、おもむろに原作の流れに戻ってしまう。
 タイムマシンの存在意義に付いては一応、それなりに意味のある解答が出てくるものの、タイムパラドックスに関しては、「運命」の一言で片づけられてしまう。
 この運命というのに、まったく説得力が無い。
 加害者の運命は変えられるのに (二回の死亡で加害者は違う) 被害者の運命は変えられないのだろうか?
 命の長さが運命で変えられない?バタフライ効果を無視してて説得力が無い。


 たしかに思っていたよりよほどマシな内容だった。
 しかしながら前半で、良い意味で原作を変えたのに、後半で戻されてもチグハグになるだけだ。やる時は徹底的にやりましょう。

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