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徒 然 草

掲 示 板

ダスト
監督:ミルチョ・マンチェフスキー
出演:ジョセフ・ファインズ/デヴィッド・ウェンハム/エイドリアン・レスター
2001年/英=独=伊=マケ/125分//☆☆☆☆☆

批評 DUST TO DUST , ASH TO ASH

 ニューヨークのアパートに空き巣に入った黒人青年。彼は逆に、部屋にいた老婆に銃で脅され、100年前、アメリカ西部で生まれ育ち、マケドニアに生きた兄弟の物語を聞かされる。



 「だれか、私と言う物語を覚えていてほしい。」



 この映画のテーマは、この言葉が最も端的に示している。

 タイトルのダスト = 塵とは、聖書における人間を意味する。
 神は塵から人を作った。だから死ねば塵に戻る。

 人は塵となり消え失せても、そこに物語りは残る。物理的な終了は、その人間の終了を意味しない。
 人は物語りに魅了され、他の人間を魅了して行く。
 そうして語られる中で、物語は徐々に形を変えて行く。人に取り込まれた物語は、そこで“死んだ者”の物語でありながら“伝える者”の物語になるからだ。
 重要なのは正確に物語が伝わることではない、人が物語として生き続けることなのだ。それに“屑”の物語など、正確である必要もない。

 こうした、ニヒルで哲学的な内容に、血と硝煙に彩られた激しい銃撃戦が繰り返し繰り返し出てくる。
 銃撃戦によって生まれる死と、生まれる物語。
 塵は塵に、人は塵に、生き残った者は、塵を物語る。


 物語ることの意味を、異議を問い、一つの解答を示す素晴らしい映画だ。
 断じて誰にでも進められる映画ではないが。

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