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監督:ヤン・スヴィエラーク
出演:オンドジェイ・ヴェトヒー/タラ・フィッツジェラルド/クリシェトフ・ハーディック
2001年/チェコ・英/112分//☆☆☆☆

批評 最後がよければすべてを許そう

 ナチスドイツに降伏したチェコ。
 チェコ空軍軍人はひそかに故国を脱出し、英国に渡りバトル・オブ・ブリテンに身を投じる。
 ナチスとの戦闘の中で芽生える、上下関係を超えた友情。そしてその間に割り込む恋愛感情。

 祖国のために戦いながらも、政治体制の変化により戦後「反逆者」として扱われたフランタの回想という形を使って物語られる。


 この映画は人間ドラマを、戦争を、あくまでも背景として扱いながら描く。
 主人公のフランタが、戦中の絶望的な状況であっても、収容所での極限状態であっても希望を捨てない人間として描かれていることがこの映画の救いとなっている。
 そうでなけれな、つらい戦争の日々はつらいだけの日になってしまうからだ。
 これは主人公のキャラクタが、温かく描かれているからだろう。復讐心に燃えるのではなく、強い意志をもった冷静な、そして情熱的な、人間的に優れた人間として描かれている。

 ただ、あまりに理想的な人間としてあがきすぎたためか、それとも飛行シーンに労力を割きすぎたのか、三角関係の変化を自然な形にすることのこだわりすぎたためか、とにかくバランスを欠いたのだろう。
 主人公フランタが、同郷の友人カレルの想い人を、結果的にとは言え奪ってしまった割にフランタの苦悩があっさりとしすぎているのが残念。

 とは言うものの、映画全体の出来は悪くない。どころかかなり良い。

 特に戦闘機の空中戦シーンの完成度の高さは、もはや異常とも言うべき。
 パールハーバーの間抜けな戦闘シーンを作った連中は、この素晴らしさを存分に研究する必要があるだろう。往年の名作「空軍大戦略」では技術的に出来なかったことさえやっている。
 なんたって本物のスピットファイヤが乱舞するのだ。戦闘機マニアなら見逃すことができようはずがない。

 そしてなんと言っても最後。ラストシーンの美しさ。
 こういう画で魅せられると、物語に若干の問題があっても、すべてを許せる気分になるね。

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