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監督:ロン・ハワード
出演:ラッセル・クロウ/エド・ハリス/ジェニファー・コネリー
2001年/米/136分/戸田奈津子/☆☆☆

批評 ロン・ハワードの良く出来た映画

 一人のノーベル賞数学者が、苦難を経て生きる話。
 この物語は「遠い空の向こうへ」のようなサクセスストーリーではなく、天才と狂気の境目を踏み越えて、向こう側に行ってしまった人間が、いかにして帰ってくるかがメインになる。

 自分は天才だという己惚れや、独創的研究こそすべてだという思い。最悪だったのは実際問題として彼にとっては「数学がすべて」だったことだろう。
 前半は、その人物がいかにして境域の境界線を越えるかが画かれる。
 この面白いところは、前半は完全に一人称視点で画かれることだ。おかげで後半になると、そのどこまでが現実でどこからが幻覚なのかが分からない。

 おかげで、後半の「狂気をいかに克服するか?」という部分は非常に面白い。
 後半になって始めて三人称視点が生まれ、そのおかげで徐々にどこが叙述トリックなのかが分かってくる。
 主人公は以下にしてそれが狂気なのかを判断して行くかが一つのポイントであり、前半に語られた「数学がすべて」という状況と病気のアンビバレンツにこそ面白さが見える。

 たしかに主人公の見る幻覚と現実の画き方は非常に上手いし、そこに込められたテーマは秀逸と言って良いだろう。
 しかしどこまで行ってもロン・ハワードはロン・ハワードだった。
 盛り上がりが今一つなのだ。後半に行くに従い、物語の展開 (より正確には流れる時間の速さ) が早くなり、結末に向かう盛り上がりはいつのまにか収束に向かっているという有り様。

 たしかに今までのロン・ハワードの作品としてはとても良い出来だと思う。
 しかし、見終わった後にこう思わざるを得ない。
 どこまで行っても「ロン・ハワードの作品だ」と。

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