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JSA
監督:パク・チャヌク
出演:ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/イ・ヨンテ
2000年/韓国/110分/根本理恵/☆☆☆☆☆

批評 思想的衝撃

 韓国と北朝鮮が向き合い、両国によって共同警備が行われている最前線、JSA<<Joint Security Area>>。
 その北朝鮮側で起こった発砲事件。11発の銃声。二人の北朝鮮軍人の死体。両国一人づつの生存者。
 対立する2人の生存者の意見。発見されない一発の銃弾。
 真実は、なぜ隠されなければならなかったのか...

 「シュリ」が、主人公の成就せぬ恋物語を主軸に、アクションや友情などを取り込み、北朝鮮と韓国の分断を背景にしながらも、その政治的テーマを理解せずとも (気にせずとも、読み取れずとも) 楽しめるエンターテイメントに仕上がっていたのに対し、この映画ではあくまでも
 北と南の政治的対立。そうした思想とは関係なく暖められる男同士の友情。しかし、そうした友情とはまったく関係なく国家は動く。
 こうした事を画いているため、その政治的なメッセージの強さは否めない。そもそもそうしたメッセージが理解できなければ、この映画の強烈さは伝わらないのではなかろうか?

 強烈に印象に残るのは、事件の真相そのものだろう。
 それまでの友情の物語が一変し、銃を向け合うシーン。「結局、おれたちは敵同士なんだ」という台詞は、それまでの友情の物語に感動する観客に冷水をぶちかける。
 「戦争になったら、俺達も銃を向け合わなければならないのか?」という問いの解答がここにある。同じ人間、同じ民族でありながら銃を向け合わなければならないこの悲劇。

 この映画では、全編を通してこうした歪んだ関係を浮き彫りにする。
 板門店で直面する二人。わずか数メートルで向き合う二人の構図は、恐ろしくコミカルで不気味だ。

 全体を通しての完成度はきわめて高い。確実に私は DVD を買うだろう。
 だが、それだけ好きな作品であるが故に許せないのが、スイス軍中立監視委員として登場するイ・ヨンテの壊滅的な演技力の低さ。
 その些細なミスが、全体を歪めていると言っても過言ではあるまい。だって、どう見ても一生懸命“演技している”ように見えるんだもの!!

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